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8 割超の消費者が物価上昇を実感、原価上昇やコストの違いで変動する価格設定に寛容な傾向も~ BCG 消費者心理調査

「一物多価」は消費者にとって納得できる理由付けがカギ

2025 年 3 月 25日
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【プレスリリース】
  
経営コンサルティングファームのボストン コンサルティング グループ (以下、 bcg) 18 歳以上の消費者 8.000 人以上を対象に実施した「 BCG 消費者心理調査 」の最新の調査結果 (2024 年 8 月実施) を公表しました。本調査は 2020 年に開始した「 BCG COVID-19 消費者心理調査 」シリーズから数えて、今回が 11 回目となります。
 
食品・飲料、旅行・移動のカテゴリーで消費者の 80 %以上が値上げを実感
 
食品・飲料、アパレル・ファッション、旅行・移動、エンターテインメントのカテゴリーについて、 8 割超の消費者が「直近で価格が上がったと感じる」と答えました (図表 1)。。 前回調査 (2023 年実施) 7 割超の消費者がそのように回答しており、引き続き多くの消費者が値上げを実感していることがうかがえます。一方、前回調査では、より低価格の商品に切り替えるなど「消費行動を変えた」と回答した消費者の割合が 2022 年から顕著に増加したのに対し、今回はあまり変化は見られませんでした。物価上昇を受けて消費行動を変える傾向は落ち着きつつあるようです。
 

JPR_Consumer Sentiment Survey Volume 11 | Exhibit 1

 
過半数は「一物多価」を許容しているものの、価格を変える理由の伝え方が重要に
 
値付けに対する受け止め方についても調査しました。同一商品であっても価格が異なる「一物多価」を、過半数の消費者が受け入れられると感じています (図表 2) 。イートイン・テイクアウトといった利用形態による価格の違いは 84 %、「同じコンビニ弁当でも郊外より都心の店の方が高い」といった人件費による価格の違いでも 75 %と、許容できる人の割合が高くなっています。
 

JPR_Consumer Sentiment Survey Volume 11 | Exhibit 2 || 、変動する理由の伝え方によっては許容度が大きく異なることもわかりました (図表 3) 。例えば、「コンビニの弁当が離島にある店では高い」「 atm 手数料が地方都市では割増」といった状況は、いずれも輸送費が主な要因の価格差異ですが、受け入れられる人の割合が前者では 75 %であるのに対し、後者では 24 %と大幅に差があります。また、「収入や資産により価格を変える」といった説明よりも、「学割」「シニア割」など、妥当な理由と感じられる伝え方の方が許容できる人の割合が高い傾向にありました。

 
ただし、価格差異の要因が同じであっても、商品・サービスの特性や、変動する理由の伝え方によっては許容度が大きく異なることもわかりました(図表3)。例えば、「コンビニの弁当が離島にある店では高い」「ATM手数料が地方都市では割増」といった状況は、いずれも輸送費が主な要因の価格差異ですが、受け入れられる人の割合が前者では75%であるのに対し、後者では24%と大幅に差があります。また、「収入や資産により価格を変える」といった説明よりも、「学割」「シニア割」など、妥当な理由と感じられる伝え方の方が許容できる人の割合が高い傾向にありました。
 

JPR_Consumer Sentiment Survey Volume 11 | Exhibit 3

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生成AI使用経験がある消費者の7、8割が企業のAI活用に期待
 
今回の調査では、消費者が企業のサービスにおけるAI活用についてどのように考えているかについても尋ねました。生成AIの使用経験がある/日常的に使用している人ほど、「AIによってより暮らしやすくなる」と考えており、「問い合わせへの回答」(83%)、「クーポンを個人ごとに最適化」(77%)、「リアルタイムの価格設定」(72%)など、企業による消費者向けサービスでAIが活用されることに期待する傾向がありました(図表4)。期待の割合は、未経験者層では5割前後にとどまっています。
 

JPR_Consumer Sentiment Survey Volume 11 | Exhibit 4

 
調査を担当したBCGのマネージング・ディレクター&パートナー、 紀平 啓子 は「日本でもインフレが一過性の出来事ではなくなり、消費者の意識は大きく変わってきています。原価上昇やコストの違いによって値段を使い分けることが “フェアな値付け” だと考える傾向は、今後も強まると見ています。Ai などの新たなテクノロジーが活用されることへの期待も高まっています。企業はこのような環境下で、どのように価格を設定し、消費者に説明していくのか、より慎重かつ精緻に考えることが求められています」とコメントしています。
  
■ 調査資料
 
BCG 消費者心理調査 ― ― 価格設定の高度化を見据えて
 
■ 調査概要
 
全国の 18 歳以上の男女を対象にオンラインで実施
- 実施時期: 2024年8月9~20日
- 回答者数: 8,260人
 
■ 担当者
 
紀平啓子  マネージング・ディレクター & パートナー
BCG 消費財・流通グループ、およびマーケティング・営業・プライシンググループのコアメンバー。
早稲田大学法学部卒業。同大学大学院法学研究科修了。テレビ東京ブロードバンド株式会社、グリー株式会社を経て現在に至る。
 
阿川大  マネージング・ディレクター & パートナー
BCG マーケティング・営業・プライシンググループの日本リーダー。消費財・流通グループ、および組織・人材グループのコアメンバー。
京都大学法学部卒業。イエール大学国際関係論修士、および経営学修士 (MBA) 。日興シティグループ証券株式会社、 BCG ニューヨーク・オフィスを経て現在に至る。
 
■ 本件に関するお問い合わせ

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ボストン コンサルティング グループ(BCG)

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日本では、1966年に世界第2の拠点として東京に、2003年に名古屋、2020年に大阪、京都、2022年には福岡にオフィスを設立しました。