【参考資料】
(本資料は、2023年6月15日に米国で発表されたプレスリリースの抄訳です)
ボストン発、2023年6月15日 ―― 経営コンサルティングファームのボストン コンサルティング グループ(以下、BCG)は、アジア、ヨーロッパ、北米における様々な業界の最高マーケティング責任者(以下、CMO)200人以上を対象に生成AIに関する調査を実施し、その結果に基づくレポート「 Como os CMOs estão tendo sucesso com ai generativa 」(以下、レポート) を発表しました。
cmo の 70 %がすでに生成 ai を自社のマーケティングに導入
生成 ai の活用状況について、「すでに生成 ai を自社のマーケティングに導入している」と回答した cmo は 70 %に上り、 19 %は「導入に向けたテストを行っている」と回答しました (図表 1) 。生成 ai を導入していると答えた cmo が最も注力している活用領域は「パーソナライゼーション」で、回答者の 67 %が取り組みを始めており、次いで「インサイト創出」が 51 %、「コンテンツ作成」が 49 %という結果となりました。
また、生成 ai を導入したことによる影響について、 cmo の 93 %が業務の体系化に、 91 %が業務効率化に、それぞれ「有益」または「非常に有益」な影響があったと回答しており、導入した企業の cmo のほとんどがその効果を実感していることが調査から明らかになりました。
cmo の 84 %が生成 ai を活用し、新商品開発や新たなビジネルモデルの立ち上げを計画
生成 ai に対する今後の期待感について、 cmo のほとんどが、生成 ai により自社の事業が将来も優位性を維持できるようになると感じており、回答者の 84 %が生成 ai を活用することで、新商品開発や新たなビジネスモデルの立ち上げを計画していると回答しています (図表 2)。
一方、生成 ai に対する規制に関しては、 81 %の cmo が「生成 ai に対する規制が必要だ」と回答しており、 77 %は「今後 2 年以内に自社が規制の対象となる」と考えています。また、 94 %に上る cmo が責任ある ai プログラムを自社で実施しており、適正なガイドラインや管理体制がない状態で外部ツールが使用された場合に発生しがちな状況、例えば社外秘データの漏洩や著作権侵害、バイアスのかかった出力、シャドー ai [注 1 ]などの、さまざまなリスクの軽減に努めています。
cmo が競争優位性を獲得するために推奨される生成 ai に関する 4 つの取り組み
生成 ai は素早く便益をもたらすため、導入の有無により同じ業界の企業間でも二極化が進むと考えられます。そのため企業が生成 ai に対して無策でいるという選択肢はありません。レポートでは、 cmo が自社の競争優位性を獲得するために推奨される生成 ai に関する 4 つの取り組みをまとめています。
- 導入に向けた実験を開始する: 経営層は、生成 ai の可能性を直接体験し、その有用性を検討する必要がある。また cmo は、自社にとって価値のあるアプリケーションを特定し、モデルを実験し、革新的なユースケースを作り出すよう自らチーム内に働きかけることが求められる
- 革新的な価値創出を追求する: cmo は生成 ai を活用できるユースケースを特定し、優先順位を付け、それらを取り入れることで自社の競争優位性の源泉とすることが求められる。例えば、知財 (ip) に関するモデルをトレーニングし、自社の重要データ (マーケティングパフォーマンス、消費者、ブランド、市場調査に関するデータ)) |
- 全社的なモデルを確立する: 自社のニーズに沿った生成 ai モデルを構築し、企業全体に適したソリューションを確立することが重要である。これにより cmo とそのチームは、業務プロセスの効率改善や、顧客とのやりとりをパーソナライズすることが可能になり、型にはまらない新しい方法で顧客価値を創出できる
- 責任ある ai ガイドラインを導入する: 企業の「責任ある ai 」への取り組みは、生成 ai の倫理的・法的・技術的な側面に焦点を当てながら進める必要がある
レポートの共著者で、BCGのCMOを務めるパリ・オフィスのマネージング・ディレクター&パートナー、 Jessica apotheker は次のようにコメントしています。「 2000 年代前半に見られた、消費者購買行動のデジタルへの移行は、マーケティングに大きな影響と変化をもたらしました。しかし今日、生成 ai の破壊的な力は、マーケターの役割とマーケティングの在り方そのものを変えようとしています」
[注 1 ]企業が許可していない ai ツールを従業員が使用すること
■ 調査レポート
「 Como os CMOs estão tendo sucesso com ai generativa 」
■ 日本における担当者
岩渕匡敦
マネージング・ディレクター & パートナー
BCG マーケティング・営業・プライシンググループの日本リーダー。
Programa executivo internacional Insead 修了。ソフトバンク、複数の It ・ベンチャー企業のマネジメントを経験後、グローバルコンサルティングファームのデジタル戦略プラクティス責任者などを経て現在に至る。
梅田由記パートナー
BCG マーケティング・営業・プライシンググループのコアメンバー
慶応義塾大学商学部卒業。松下電器産業株式会社(現パナソニック株式会社)を経てBCGに入社。その後、株式会社東ハト、株式会社資生堂を経てBCGに再入社した後、AI関連スタートアップでマーケティング責任者を務め、現在に至る。
■ 本件に関するお問い合わせ
ボストン コンサルティング グループマーケティング小川・小田切・天艸
Tel: 03-6387-7000 / Fax: 03-6387-0333 / Mail:
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